【野球】侍ジャパン後任監督に高橋由伸氏が急浮上 稲葉篤紀氏は金メダルで“有終の美”

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 侍ジャパンは7日、米国と金メダルをかけて決勝を戦い2-0で勝利、見事に金メダルに輝いた。日本の金メダルは公開競技だった1984年ロサンゼルス五輪以来37年ぶり、正式競技としては92年バルセロナ五輪から実施6大会目で初めてだ。

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 ◇  ◇  ◇

 稲葉篤紀代表監督(49)は今回の東京五輪限りで任期満了。古巣・日本ハムの栗山英樹監督(60)は1年契約だけに、球団の意向はともかく、稲葉監督はその後任に色気を持っているという。

 侍ジャパンは五輪終了後、後任の選定に入る。新監督は代表が常設化された前任の小久保裕紀監督からの体制を引き継ぎつつ、2年後の23年に予定されている第5回WBCの指揮を執ることになる。

「有力候補には、前巨人監督で巨人軍特別顧問の高橋由伸(46)が浮上しています」

 とは、プロ野球OB。

「選手選考や采配を重視するなら、現役のプロ野球監督がやるに越したことはない。06年、09年WBCは、米国や中南米諸国のメンバーが手薄だったとはいえ、ソフトバンクの王貞治監督、巨人の原辰徳監督(63)で世界一になっている。しかし、王さんや原さんが再三言っているように、現役監督は自分のチームとの掛け持ちになるため負担が大きい。かといって、代表選手は各球団の主力選手の寄せ集め。どの球団にも所属せず、指導者経験がない監督が選手の能力を把握し、適材適所で起用するのは難しい面もある。稲葉監督も17年から指揮を執り続け、一定の結果を残すことはできましたが、先発投手を多く招集しすぎて継投がうまくハマらなかったり、野手もセンターを守れる選手が柳田しかおらず、起用に苦心。選手に助けられた部分もある。それだけに『現場感覚』を重視する上で、『プロ野球監督経験者』を推す声がある。中でも、現場から離れて時間が経っていない人物が適任ということで、16年から18年まで巨人監督を務めた高橋由伸がリストアップされたようです」

 実際、13年WBCは元広島監督の山本浩二氏が監督を務めたが、準決勝で敗退。大会開催の半年前の就任で準備期間が短く、山本氏自身も現場から長く離れていた。チームをうまくまとめることができず、勝利に導けなかった。17年WBCを率いた小久保監督や今回の稲葉監督は、過去の五輪代表チームと同様に代表を常設化し、国際試合の経験を積み、時間をかけてチームづくりをすることで経験不足を補ってきたが、「監督経験者の方がよりスムーズに行く」という声がある。

巨人の監督人事次第で

 高橋氏は03年のアテネ五輪アジア予選通過、04年アテネ五輪銅メダルに貢献。代表通算は14試合で打率.322、3本塁打、11打点と好成績を残した。慶大時代は日米大学野球選手権に2度出場、プロ入り後の01年にもIBAFワールドカップに出場しており、国際大会の経験は豊富だ。

 今回の東京五輪を巡っても、東日本大震災からの復興の意味を込めて野球、ソフトボールの初戦が行われた福島で五輪関連の野球教室やトークイベントに出席。五輪開幕100日前に当たる4月14日、「侍ジャパンナイター」として開催された巨人中日戦(東京ドーム)では始球式を務め、7月2日には千葉市内で行われた聖火リレー代替イベントに参加した。代表監督は、少年少女向けの野球振興事業などの「顔」としての役割も担う。東京六大学、巨人のスター選手だった高橋氏は人気、知名度が高い上に、代表関連の仕事の意欲も高い。野球界の「フロントマン」としてもうってつけの人物といえる。巨人OBが言う。

■長嶋、王、原の系譜

「巨人監督時代は就任3年間でAクラス2度も、優勝はできなかった。監督としての物足りなさを感じた部分もあったけれど、現役引退直後にいきなり大役を任された。勝つことを義務付けられつつ、チームの世代交代を進めるという難しい舵取りを強いられる中、岡本和真を4番打者として一本立ちさせた。巨人は近い将来の監督再登板を視野に入れており、今季限りでの勇退が囁かれる原監督の後任候補の一人でもある。高橋氏の代表監督就任は、今オフの巨人監督人事の動向次第といっていいでしょう。ただ、侍ジャパンを運営するNPBエンタープライズは、読売グループの社員が社長として出向している。グループ的にも『高橋ジャパン』が収まりがいいことは確かです」

 高橋氏は、専属契約を結んでいるスポーツ報知や日本テレビで東京五輪の侍ジャパンの試合を解説するなど、“予習”も終えている。日本のトップチームがオールプロで構成されるようになって以降、長嶋茂雄王貞治原辰徳と巨人監督経験者が代表監督になるケースは多い。高橋氏もその流れをくみ、アテネ以来となる日の丸ユニホームに袖を通すことになるのか――。

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