選手権V6度の名伯楽・小嶺忠敏氏死去…「国見サッカー」への誤解と個性重視の指導

公開日: 更新日:

 長崎・国見高の監督時代に「サッカー選手権6回優勝」を達成した名伯楽・小嶺忠敏氏が7日、長崎県内で亡くなった。

 1968年に母校である長崎・島原商高の教諭となり、77年にインターハイを制した。84年に国見高に転任。86年度に選手権初出場で準優勝。87年度に初優勝を遂げた。

 国見高の校長を最後に定年退職。2015年に長崎総合科学大付高サッカー部の監督に就任。同高は開催中の第100回選手権に出場(3回戦敗退)したが、激ヤセの小嶺氏は肝臓など内臓系疾患の治療のためにチームに帯同していなかった。

 国見高サッカーといえば「徹底して体力を鍛えてボールを奪い、相手ゴール前にボールを放り込んで身長194センチのFW船越優蔵、190センチのFW平山相太、188センチのFW高木琢也らが力ずくでねじ込む」とサッカー関係者からヤユされることが多かった。さらには「選手を合宿所に詰め込んで丸刈りに。画一的な人間ばかりつくり出した」と教育者としての一面まで全否定されることも。

 確かに「練習は正月以外年間364日」「合宿所ではどんぶり飯を何杯も食わないと試合に出さない」「午後9時に練習が終わってから20キロのランニングを強制する」など前近代的な練習メニューも少なくなかった。同じ高校サッカー指導者の間からも「小嶺さんは軍隊式スパルタでしか指導できない」というイメージが定着してしまった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘