高校サッカー選手権で大旋風! 高川学園の奇策「トルメンタ」がプロに“輸出”される日

公開日: 更新日:

 開催中の全国高校サッカー選手権で大旋風を巻き起こしているのが高川学園(山口)の「グルグル円陣」だろう。

 セットプレー時に選手ら数人が手をつないで輪をつくり、メリーゴーラウンドのようにグルグルと回転、ボールが蹴り込まれる直前に輪を解き、各自が一斉にそれぞれのポイントに入る。同校の選手が考案した“世界初”の戦術で、選手がスペイン語で「嵐」を意味する「トルメンタ」と名付けた妙技だ。

「これは相手チームがマークに付けませんね」と説明するのは、ソロモン諸島やタヒチなどで日本人初のプロサッカー選手として活躍したGKの麻生弘隆氏だ。同校はトルメンタによって4日の桐光学園戦で決勝点を決め、8日の準決勝(青森山田戦)に駒を進めたように、この奇策は十分に機能しているといえる。

 では、プロで通用するのか。前出の麻生氏がこう続ける。

「プロになると選手個々のレベルがグンと上がる。初見でも、相手のディフェンダーはマンマークに付こうとするのではなく、スペースを潰して守ったりと、瞬時に対策を取られてしまうかもしれません。だから何度も実行するのは難しいと思いますが……。しかし、奇襲としてはうまくいくかもしれませんし、パフォーマンスとして非常に面白い。トリックプレーを好む選手やチームもあるし、ファンを沸かせることもできる。選手の誰かがやりたいと言い出し、それに同調する選手、許可を出す監督がいれば、プロもやるかもしれません」

 スポーツ界ではアマからプロに“輸出”された奇策が数多く存在する。例えば、野球では「隠し球」、サッカーでは「ハンドスプリングスロー」が有名だ。

 高川学園発の「トルメンタ」が、いずれプロの世界で見られるかもしれないというのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • サッカーのアクセスランキング

  1. 1

    森保Jは海外からどう見られているのか…W杯のライバル国、ブックメーカーによる意外な評価

  2. 2

    FIFA会長がトランプ大統領に贈った「平和賞」は両者の癒着の象徴…元FIFA職員が史上最悪のW杯抽選会を一刀両断

  3. 3

    【ポーランド&ウクライナ】1次リーグF組の最終枠は現時点で未定も「ウクライナが有力」と専門家

  4. 4

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  5. 5

    元日本代表DF冨安健洋がアヤックスと契約合意報道…森保Jに朗報も「ガラスの肉体」の期待と不安

  1. 6

    【チュニジア】アフリカ予選10戦無失点 堅守が光る「カルタゴの鷲」は日本が苦手とするチーム

  2. 7

    W杯初16強の日韓大会で山本昌邦は「トルシエと選手とのフィルター役をこなした」

  3. 8

    【オランダ】195cmCBファンダイクが大きな“壁”に…タレント勢揃いで「地盤沈下」は今や昔

  4. 9

    Jリーグ得点ランク上位FWが日本代表入りできないワケ…「森保監督の確固たるポリシー」が背景に

  5. 10

    28年ロス五輪サッカー出場枠「男子12・女子16」のなぜ? 背景に世界的潮流とFIFAの思惑

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  2. 2

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  3. 3

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  4. 4

    片山さつき財務相の居直り開催を逆手に…高市首相「大臣規範」見直しで“パーティー解禁”の支離滅裂

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  1. 6

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  2. 7

    森田望智は苦節15年の苦労人 “ワキ毛の女王”経てブレーク…アラサーで「朝ドラ女優」抜擢のワケ

  3. 8

    臨時国会きょう閉会…維新「改革のセンターピン」定数削減頓挫、連立の“絶対条件”総崩れで手柄ゼロ

  4. 9

    阪神・佐藤輝明をドジャースが「囲い込み」か…山本由伸や朗希と関係深い広告代理店の影も見え隠れ

  5. 10

    阪神・才木浩人が今オフメジャー行きに球団「NO」で…佐藤輝明の来オフ米挑戦に大きな暗雲