“問題”だらけの北京冬季五輪を彩った 海外「強い美女金メダリスト」名鑑

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谷愛凌(18歳・中国)

 かつて、これほど多くのゴタゴタが注目を集めた五輪があっただろうか。フィギュアスケート女子で4位に終わったカミラ・ワリエワ(15=ロシア・オリンピック委員会)のドーピング違反問題。スキージャンプ混合団体では高梨沙羅(25)ら4カ国5人の女子選手がスーツの規定違反で失格となったが、その前に行われた個人戦では同じスーツが問題視されなかったため、世界各国から批判が噴出した。明らかに中国びいきに映る判定も多かった。20日に閉幕する問題だらけの北京五輪を彩った強い美女5人を厳選した。

 ◇  ◇  ◇

■母親の母国に帰化した年収36億円のハーフモデル

 地元・中国の「スノープリンセス」こと谷愛凌(18歳・中国)は「ビッグエア」最終ラウンドで大技の「ダブルコーク1620(4回転半)」を選択して「金」。「1位になるために突然思いついてトライした」と衝撃の告白で世界のメディアを驚かせた。

 父が米国人、母が中国人。米カリフォルニア州で育った。北京大学でコーチを務める母の影響で8歳で競技を開始。当時から米国と中国を行き来していたため、中国語も流暢に操る。2021年世界選手権でハーフパイプとスロープスタイルで優勝し、W杯通算8勝。「天才少女」と言われた。

 美貌と身長167センチの抜群のスタイルを生かし、これまでフェンディ、グッチ、ルイ・ヴィトンのファッションモデルとしても活動。他にもエスティローダー、ビクトリアズ・シークレット、ティファニーなど20のブランドとスポンサー契約を交わす。米名門スタンフォード大学への進学も決まっている。

 19年に「中国の方がホーム」と米国国籍を放棄。米メディアから「裏切り者」と批判されたが、中国では五輪中継やCMに引っ張りだこ。オフィシャルグッズのショッピングバッグにも写真が使用されるほどで、国民的スターとなった。中国メディアは「21年以降の谷の収入は2億元(約36億円)を超えた」と報じている。

 幼い頃に練習でカエルの帽子をかぶっていたことから「カエル姫」の愛称もある。「チャイニーズドリーム」は始まったばかりだ。

【北京五輪成績】
 フリースタイルスキービッグエア 金
 ハーフパイプ 金
 スロープスタイル 銀

リンゼイ・ジャコベリス(36歳・米国)

■“五輪に嫌われた女王”16年前の忘れ物ついに取り戻す

スノーボードの女王」がやっと五輪で勝った。36歳のベテランは「個人」決勝でスタート直後からトップをキープ。今回は転ぶことなく1位でゴールに滑り込んだ。

 ケチのつき始めは2006年トリノ五輪だ。初めて行われた同種目に、世界女王として臨むと、2位以下を離して独走。が、ゴール前でこの競技には不要な「グラブトリック」を披露すると、着地に失敗して転倒。ゴール目前でメダルの色が金から銀に変わってしまった。

 あれから16年。10年バンクーバー5位、14年ソチ7位、18年平昌も4位に終わった。その間に行われた世界選手権で6度、Xゲームで10度優勝。なぜか五輪だけは勝てなかった絶対王者が、新種目の「混合団体」も制し、今大会2冠となった。

「五輪に嫌われた女王」がついに16年前の忘れ物を取り戻した。

【北京五輪成績】
 スノーボードクロス 金
 混合団体 金

エステル・レデツカ(26歳・チェコ)

■“二刀流の女王”スノボは連覇もスキーは連覇ならず

「二刀流の女王」は北京でも強かった。

 スノーボード女子のパラレル大回転は、2位に大差をつけて予選トップ通過。決勝トーナメントでも決勝まで4レースを圧勝した。対戦相手が「女王」を負かそうと無理をしたため、全員が途中棄権。圧倒的な力を示した。

 最初はスノーボードのトップ選手だった。遊びでスキーの大会でも好成績を残し、「二刀流」が始まった。4年前の平昌大会では、スノーボードとアルペンスキーで金メダルを獲得。冬季五輪の一大会で異なる2競技を制した初めての女子選手になった。

 今回のアルペンスキー女子スーパー大回転は5位に終わり、連覇はならなかった。「私はスキーヤーだと自分に言い聞かせようとしたけど、そんなに簡単じゃなかった」と残念そうだった。

【北京五輪成績】
 スノーボード
 パラレル大回転 金
 アルペンスキー
 複合 4位
 スーパー大回転 5位
 滑降 27位

イレイン・ブスト(35歳・オランダ)

■1500メートルで美帆破り6個目金 全部で13個のメダルコレクター

 女子1500メートルで1分53秒28の五輪新記録をマークし、高木美帆を破った35歳は、10年バンクーバー、18年平昌に続き、3度目の同種目制覇。19歳で臨んだトリノ五輪で3000メートルを制し、冬季五輪でオランダ史上最年少の金メダリストとなっている。

 スピードスケート女子の同一種目で3回金メダルを獲得したのは500メートルのブレア(米国)、5000メートルのペヒシュタイン(ドイツ)以来3人目。1500メートルは06年トリノ、14年ソチでもメダルを手にしていて、同一種目で5大会続けて獲得するのは、ペヒシュタイン以来2人目だ。

 最多を誇るメダルの内訳は金6、銀5、銅2。総獲得数を13に伸ばし、金メダル6個は女子最多タイとなった。「子供が欲しいし、ある時点でリタイアしないと」と五輪は今大会が最後になると明言した。

【北京五輪成績】
 スピードスケート
 1500メートル 金
 団体追い抜き 銅
 1000メートル 6位

アナ・ガサー(30歳・オーストリア)

■18歳から始めた遅咲きの元体操選手

 平昌大会は大本命として初代女王に輝いた。今回は「メダルが取れると期待していなかった分、より感動的」と声を弾ませた。

 4位の岩渕(日本)が3回目に斜め軸の後方3回転宙返り「トリプルアンダーフリップ」に挑戦。着地で乱れて得点は伸びなかったものの、「アメージング。(試技前に)上で見ていた選手はみんなビビったと思う。たとえ私の順位が落ちることになっても着地してほしかった」と称えることができる女王だ。

 15歳までは体操選手。18歳の時にスノーボードに転向した遅咲きだ。10代や20代の若い選手が多い中、最年長の30歳。「楽しめているうちは続けたい」と進化を続ける。

【北京五輪成績】
 スノーボード
 ビッグエア 金
 スロープスタイル 6位

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