1956年2月16日、兵庫・北条町（現・加西市）生まれ。滝川高─専大─プリンスホテル。80年ドラフト1位で中日入団。1年目から正捕手として82年のリーグ優勝に貢献してMVP。88年オフに交換トレードで巨人へ。89年に日本一。92年に移籍した西武で93年に現役引退。3球団で日本シリーズに出場。走攻守三拍子揃ったプレースタイルで、「捕手の概念を覆した捕手」と言われた。引退後は西武、オリックス、阪神などでコーチなどを歴任。2009年から16年まで阪神スカウト。17年3月に専大北上高監督に就任。18年春、秋に東北大会に進出。19年11月に退任した。
専大北上高の監督2年目に金足農・吉田輝星と対戦「近いうちにブレーク」と予言した
岩手・専大北上高の監督となり、2017年3月の沖縄合宿から合流した。初めての高校野球の指導に胸を躍らせて向かったが、キャッチボールもできない練習を見てがくぜんとした。
「つまらないかもしれないけど、基礎から始めるぞ」と宣言。基本練習を繰り返した。80～90人の部員の名前を覚え、春の大会用の背番号もあげないといけない。右も左も分からない状態だったが、前監督の及川将史部長に相談しながら手探りで船出した。
■1年目のダブルヘッダー明秀日立に50失点
しかし、春、夏、秋といずれも県大会2回戦敗退。最後の10月の練習試合では、翌18年のセンバツに出場する明秀学園日立（茨城）に32失点するなど、ダブルヘッダー2試合で計50失点。作新学院（栃木）にも15点を奪われる惨敗を喫した。雪でグラウンドが使えない冬場は、徹底的に肉体を強化することに決めた。午前中に腹筋、背筋、ランニングといった基礎トレーニング。午後は「自分で考えて練習をしていい」と伝えた。すると、就任2年目の18年春、岩手大会準決勝で盛岡三を10-5で下し、私にとって初めての東北大会切符をつかむことができた。
