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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

矢野阪神が開幕3連敗 リリーフ陣の不安と伝統的な育成能力への期待

公開日: 更新日:

 だが、阪神はどういうわけか伝統的にリリーフ投手の発掘&育成能力が高い球団だから、まだまだわからないとも思ってしまう。特に外国人投手については顕著で、昨年まで2年連続最多セーブのスアレスだけでなく、それ以前にもドリスやマテオ、ジョンソン、呉昇桓、さらに遡ってもアッチソンやウィリアムスら、セットアッパーやクローザーとして大成功した外国人選手は枚挙にいとまがない。あのメッセンジャーだって、最初はセットアッパーだった。

 そう考えると、ケラーもまだ1回しか失敗していないのだから、今後も使い続けていけば状態が上がってくるかもしれない。あるいは故障で調整が遅れているアルカンタラや、ケラーと同じく来日が遅れて調整中のウィルカーソンがいずれ出てくるかもしれない。そもそもケラーだって調整を急ぎすぎただけではないのか。そんな希望を捨てきれないでいる。

 ただし、外国人投手だからって、いきなりクローザーじゃなくてもいいのではないか。守護神という別名を考えると、そもそも未知数の投手にそれを冠することに大きな違和感がある。近年は野手の外国人選手も、よほどの大物メジャーリーガーでもない限り、最初から4番確約で入団してくることは少なくなったのだから、来日が遅れた新外国人投手を既定路線としてクローザーに配置することは少し前時代的な感じがしてしまう。

 また、日本人投手だって、2017年に最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得するなど遅咲きの覚醒を見せた桑原謙太朗のように、今年もまた超新星が出てくるかもしれない。阪神投手陣を見ていると、リリーフ候補の投手数は妙に多いのだ。

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