佐々木朗希の覚醒でロッテ井口監督にのしかかる48年ぶりVへの期待と進退問題

公開日: 更新日:

 勢いが止まらない。

 ロッテ佐々木朗希(20)が20日のソフトバンク戦に先発。6回1失点9奪三振の好投で無傷の5勝目を挙げ、リーグトップタイに並んだ。87奪三振はリーグ断トツで、防御率1.47もリーグ2位である。

 球界屈指の分析力を誇るソフトバンクも脱帽だった。球団内では「ウチは初物には弱いけど、1回対戦すれば丸裸にできる」との声もあった。2回目の対戦となったこの日、ソフトバンク打線は対策を重ね、ファーストストライクから積極的に仕掛けていったが、160キロの直球と高速フォークの前に、1点を取るのがやっとだった。

 佐々木朗の好投で勝利したロッテは今季の開幕前、1974年以来48年ぶりとなる勝率1位でのリーグ優勝へ期待が高まっていた。一昨年に続いて昨年も2位。戴冠はあと一歩のところまで来ているが、今季はここまで、18勝24敗1分けで首位楽天に9.5ゲーム差をつけられての5位。最下位の日本ハムとはわずか1.5差と波に乗れない。球団OBで名球会会員の山崎裕之氏が言う。

「今季のロッテは佐々木朗に限らず、石川、小島ら先発投手は安定している。小島は防御率2.72ながら0勝4敗と全く勝てていないように、貧打が足を引っ張っている(チーム打率.215=リーグ5位、130得点=同)。この日こそ8得点で大勝したが、マーティン、レアードの不振は大きいだけでなく、本来ならレギュラーになっていてもおかしくない安田、藤原といった期待の若手の伸び悩みも得点力不足の要因になっている」

井口監督は契約最終年

 就任5年目を迎える井口資仁監督(47)は、3年契約が満了した2020年オフに契約を2年延長。今季が契約最終年とみられる。

「球団は大型補強に頼らず、スカウティングと育成によるチーム強化を進めている。井口監督も就任1年目から5位、4位と順位を上げ、3年目に2位へ躍進したこともあって、契約延長を勝ち取った。今季は井口政権にとって勝負の年。チームスローガンに『頂点を、つかむ。』と掲げ、首脳陣もテコ入れした。森脇ヘッドら主要コーチはすべて井口監督の肝いりで固められ、井口監督の考え、方針がより徹底される体制になったが、いくら投手陣が頑張っても、貧打を解消しないことには浮上の目はありません」(放送関係者)

 球団は3年後の25年に常勝軍団を構築するとの目標を掲げる一方で、今季は優勝を至上命令に掲げている。河合オーナー代行は今年3月、ベースボールマガジンで「(昨年は)優勝争いのワクワク感は経験できました。じゃあ優勝ってどんな感じなの? 皆、そう思っているはずです。その優勝を知れるチャンスが、ここにあるんです。何としてでもつかみ取りたい。皆が、そう思っているんです」と語っている。

 前出の山崎氏が言う。

「今の首脳陣を見ても、球団が全面的に井口監督をバックアップしていることがうかがえる。そこにきて佐々木朗が覚醒した。井口監督は結果を出さないと責任を追及される立場にあることは間違いない。残り100試合、巻き返しに期待したいですね」

 井口監督は切なる期待に応えられるか……。

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?