著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

来季「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」見送りに透けるMLBのしたたか興業戦略

公開日: 更新日:

 7月のオールスター戦やトレード期限と9月の地区優勝争いの間に挟まれる8月は、長らく大きな話題に乏しい時期であった。

■長期的視野に立って利益を追求

 いわば閑散期である8月に人々の関心を集める催事を行う意味は大きく、機構は競争力のある商品を手にしたことになる。しかも、今後、「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」は球界の新たな伝統としての役割を与えられ、重要な試合になるだろう。

 そうなると、通常の客席数は3000席であり、今回のような特別の催事の場合に8000席まで臨時で増設される球場の設備では物足りず、周囲には十分な宿泊施設もないダイアーズビル地区は、興行面からすると心もとない場所となる。

 昨年、元ホワイトソックスの選手で野球殿堂入りしたフランク・トーマスらが映画「フィールド・オブ・ドリームス」の撮影現場関連の施設や地所を購入すると、新たな球場を含む複合施設や高級ホテルの建設など、球場一帯の再開発を進める計画を発表したのは、機構側の懸念に応える措置だった。

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