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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

外様から地元へ…若生正広が切り開いた、宮城の野球の「新たな可能性」

公開日: 更新日:

 ダルビッシュを勧誘したのは全国で50番目だったという。なぜ東北高を選んだのか尋ねると、「なぜ?」と遠く泉ケ岳に輝く斑雪に目をやった。

「お父さんがね、ここは水と空気がいいって、うれしいよね」

 と人の肩を叩くのだった。

 指導は厳しかったが、涙もろく、最後はほっこり笑う東北人だ。竹田が敷いたレールを機関車トーマスのように、しかし、したたかに走り、春夏7度の甲子園出場を果たし、03年にはダルビッシュと決勝まで進んだ。

 竹田から若生へ、外様から地元へ──白河以北を牽引した宮城の野球は、この継走を経て自分たちの呼吸を始め、東北に新たな可能性を示したのではないか。だから、仙台育英の快挙は、春の枝頭のふくらみのごとく北の人々の心を和ませたのだ。=おわり

【連載】仙台育英V 東北高校野球「艱難辛苦」の内幕

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