元サッカー日本代表監督・二宮寛氏が選手に贈る言葉「失敗してもいいから闘い続けろ!」

公開日: 更新日:

二宮寛(元日本代表監督)

 一大決戦が刻一刻と近づいてきた。20日に開幕するカタールW杯。森保ジャパンは、日本時間23日午後10時キックオフのE組初戦のドイツ戦に臨む。優勝回数は王国ブラジルの最多5回に次ぐ4回。難敵を相手にどんな戦い方を挑んで勝機を見いだせばいいのか、ドイツサッカーの強さの神髄とは何なのか、「ゲルマン魂」とは何を意味するのか--。三菱重工サッカー部(現J1浦和)監督時代の1968年にドイツ(当時西ドイツ)に渡り、ボルシアMGで采配を振っていた希代の名将ヘネス・バイスバイラーの薫陶を受け、ドイツサッカーの強さを知り尽くしている元日本代表監督に聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 ──ドイツ代表の強さを表現するのに「ゲルマン魂」という言葉を耳にする。一般的には「最後の最後まで諦めない不撓不屈の精神」といった意味合いで使われている。 

 サッカー人として、欧州三菱自動車の社長として、長く欧州で暮らしましたが、そのゲルマン魂という言葉自体は、ただの一度も聞いたことがありません。日本の大和魂と対をなすように使われていると思いますが、言葉そのものは存在しないということになります。ただし、ゲルマン魂に相当する「ドイツサッカーの神髄」については、かの地で何度も目の当たりにしました。ドイツサッカーの強さを言葉にして表すと「汗をもう一滴垂らしたら死んでしまうかも知れない」という極限まで戦い続けることであり、徹底して勝利にこだわるメンタリティーは「2位に甘んじることは永遠の敗者を受け入れることを意味する」という言葉に収斂されるでしょう。このことは、今から54年前にドイツで出会った名将ヘネス・バイスバイラーの<息子>として彼の日々の言動から学んだことなのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較