著者のコラム一覧
Ricardo Setyonジャーナリスト

リカルド・セティオン 1963年生まれ。サンパウロ出身。中東戦争やユーゴスラビア紛争などを現地取材。スポーツジャーナリストに転身し、8カ国語を操りながらブラジルメディア以外にも英「ワールドサッカー」、伊「グエリン・スポルティーボ」など幅広く執筆。BBCのラジオ番組にも出演。98年、02年のW杯期間中にブラジル代表付き広報を務めた。現在もジーコ、ロナウド、ロナウジーニョ、カフー、ドゥンガら大物との親交も厚い。13年コンフェデレーションズカップではFIFA審判団の広報。国内では「ワールドサッカーダイジェスト」「スポルティーバ」などでコラムを執筆中。ブラジルのマッケンジー大、パナマのパナマ大、イスラエルのハイファ大などでスポーツマネージメントの講義を行う。自他ともに認める「サッカークレージー」。

W杯でサポーター寝泊まりファンビレッジの惨状…1泊200ドルの部屋は砂だらけ、汚水は逆流

公開日: 更新日:

大会編⑥

 ボンジーア!(こんにちは!)

 W杯もあと決勝と3位決定戦を残すだけ。それにしても、このW杯は本当に疲れる。数日前、すごく悲しい出来事があった。30年来の友人だった米国人記者が突然死してしまった。死因は分からないけど、少し前から彼は「疲れた」を連発していた。腹立たしいことに最新鋭のスタジアムにはAEDもなかったんだよ! そういえば、大会期間中に他にも2人の記者が亡くなっている……。

 サポーターだって疲れている。多くは「ファンビレッジ」っていうテントのようなコンテナのような所に宿泊しているんだけど、これがもうメチャクチャなんだ。

 ドーハ市内のホテルが絶望的に高いって話は前にしたよね。なので、試合のチケットを持っていても、カタール行きをキャンセルする人が相次いだ。焦ったカタール政府が半年前くらいから突貫工事で造ったのが、このファンビレッジだ。

 何が大変かって、砂漠の向こう側に造られているから、どこへ行くにも恐ろしく遠いんだ。スタジアムや市内までバスで片道約1時間半! 試合観戦に行くにも買い物に行くにも毎日3時間はバスに揺られなきゃならない。話を聞いて回ると、みんなボロクソに言っていたよ。あるブラジル人は「まるでローストチキンになった気分だ」ってぼやいていた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性