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武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

36歳のジョコビッチを支える「鋼の意志」 前人未到のグランドスラム24勝に到達

公開日: 更新日:

 テニスの全米オープンが終わった。

 50年を迎えた男女同額の優勝賞金は約4億4000万円。完全機械化でラインジャッジは消滅し、端の17番コートでマリフアナのにおい……相変わらず話題の多い大会だが、最大の出来事はジョコビッチだ。

 全豪、全仏に続き今季3度目のグランドスラムタイトルで、前人未到のメジャー通算24勝に到達した。反ワクチンから昨年は出場できなかった大会でのナンバーワン復帰……36歳の鋼の意志には驚くばかりだ。

 今世紀に入ってから、フェデラー、ナダル、ジョコビッチの「3強時代」が続いてきた。フェデラーが昨年引退、故障の癒えないナダルは来季の引退を表明し、しぼみかけたところにスペインから新星が現れた。

 カルロス・アラカラスは昨年の全米制覇に続き今季ここまでツアー6勝、ウィンブルドン決勝ではジョコビッチをフルセットで倒した。ジョコが勝っていたら年間グランドスラムだったわけだが、この20歳はコートカバーが広く、ベースライン深く配球し、強烈なサーブからのサーブ&ドロップショットのタッチには舌を巻く。「3強」を合体させたような力、技、スピード、感覚だ。

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