安楽事件が日本球界を直撃! 悪しき体育会系気質に高校生ソッポ、メジャー志向が急加速

公開日: 更新日:

 プロ野球界の「闇」と言っても過言ではあるまい。

 後輩選手への悪質ないじめ、暴力が発覚した楽天安楽智大(27)。契約更改の席などで複数の選手が被害を訴えたことにより、事態を重く見た球団は安楽の契約更改を無期限延期。球団納会も急きょ中止し、29日に発表する予定だった宮城県塩釜市とのパートナー協定締結式も延期となった。

 球団の“被害”はこれだけではない。アマ担当のスカウトも、安楽の所業に頭を抱えているという。

■正座説教で指名拒否寸前

「だいぶ前の話になるが」と、当時を知る球団OBがこう話す。

「かつて楽天に一場(2004年自由枠)が在籍していた時の話です。一場の態度を見かねた二軍コーチがグラウンドに正座をさせて説教、その写真がスポーツ紙に掲載されたことがある。これにアマ球界から球団に相当な数の苦情が寄せられた。現場のスカウトもドラフト候補の所属チームの監督などから、『いまだにあんな前時代的なことをするチームに、ウチの選手は預けられない』と言われ、指名拒否寸前までいったと聞いています。当時はスカウト陣が『二度とこんなことはさせません』と謝罪に追われたが、安楽の一件はさらに悪質。スカウトたちも『ウチに来てくれる選手がいなくなるのでは』と、頭を抱えています」

■裸にせいた後輩をベルトで鞭打ち

 しかし、安楽問題で打撃を受けるのは楽天に限らない。他球団でも衆目の前で後輩を裸にし、ベルトで鞭打ちした先輩がいたように、多かれ少なかれ、プロ野球では陰湿ないじめ、後輩いびりがあるのは事実だ。

 今回の騒動では、安楽による後輩いじめを周囲の先輩選手が笑って傍観していたという報道もある。こうなると安楽個人の問題ではなく、楽天、ひいてはプロ野球界に、いまだ悪しき体育会系気質がはびこっているとも言える。

 コーチによるパワハラも残っており、今オフ、一軍からファームに配置転換された某球団コーチは、現役時代から年下に高圧的な態度を取ることが多く、ナインから総スカン。事実上の左遷ともっぱらだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    俺が監督になったら茶髪とヒゲを「禁止」したい根拠…立浪和義のやり方には思うところもある

  2. 2

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  3. 3

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  4. 4

    巨人エース戸郷翔征の不振を招いた“真犯人”の実名…評論家のOB元投手コーチがバッサリ

  5. 5

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  1. 6

    オレが立浪和義にコンプレックスを抱いた深層…現役時代は一度も食事したことがなかった

  2. 7

    巨人・阿部監督に心境の変化「岡本和真とまた来季」…主砲のメジャー挑戦可否がチーム内外で注目集める

  3. 8

    阿部巨人が今オフFA補強で狙うは…“複数年蹴った”中日・柳裕也と、あのオンカジ選手

  4. 9

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」

  5. 10

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  2. 2

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  3. 3

    阪神・佐藤輝明が“文春砲”に本塁打返しの鋼メンタル!球団はピリピリも、本人たちはどこ吹く風

  4. 4

    自民両院議員懇談会で「石破おろし」が不発だったこれだけの理由…目立った空席、“主導側”は発言せず欠席者も

  5. 5

    広末涼子「実況見分」タイミングの謎…新東名事故から3カ月以上なのに警察がメディアに流した理由

  1. 6

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃

  2. 7

    国保の有効期限切れが8月1日からいよいよスタート…マイナ大混乱を招いた河野太郎前デジタル相の大罪

  3. 8

    『ナイアガラ・ムーン』の音源を聴き、ライバルの細野晴臣は素直に脱帽した

  4. 9

    初当選から9カ月の自民党・森下千里議員は今…参政党さや氏で改めて注目を浴びる"女性タレント議員"

  5. 10

    “死球の恐怖”藤浪晋太郎のDeNA入りにセ5球団が戦々恐々…「打者にストレス。パに行ってほしかった」