著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

元“年俸120円Jリーガー”の格闘家・安彦考真が2024年に描く「未来予想図」

公開日: 更新日:

 元年俸120円Jリーガーで、2020年末に格闘家へ転向して丸3年が経過した安彦考真(45)。「職業は挑戦者」と自称する彼は、11月19日に開催された新格闘技イベント「FIGHT CLUB」に出場。前口太尊との対戦で2R残り10秒に右肩を脱臼。残念ながらTKO負けを喫したが、肩が外れた状態で「まだ、できるよ」と絶叫するほど、凄まじい気迫と闘争心を前面に押し出した。

「脱臼しても試合続行しようとしたのは、『魂の叫び』だったのかなと思います。自分のチャレンジはこのままじゃ終われない。僕の生きざまを多くの人に見てもらい、勇気や元気を与え続けたいんです」と彼は改めて強調。2024年以降も格闘技に軸足を置いて、挑戦を続ける考えだ。

 ◇  ◇  ◇

 ――格闘家転身から3年が経過します。2023年の取り組みを振り返ると?

「一番大きいのは、小比類巻道場をやめたことですね。2021年から元K-1王者の小比類巻貴之会長のジムで練習し、試合にも出させてもらいましたけど、小比類巻さんに甘えている自分に気づいた。『挑戦者』であるはずが、『格闘家』になっていたんです。自分は年俸120円Jリーガーをやったように、本物の挑戦者じゃないとダメ。そのためには1から出直す必要があると思ったんです」

 ――古巣のYSCC横浜所属になったんですよね?

「YSCCにキックボクシングチームを新設する提案を持ち掛け、そこに僕が選手として入る形になりました。YSCCは貧困や差別と向き合う姿勢、いじめなどの青少年育成に対して真摯な姿勢を示していて、地道な活動を続けています。その信念には僕自身がサッカー選手として在籍していた頃から感銘を受けていましたが、格闘技を通してもできることが少なくない。僕の方からアクションを起こし、11月11月に正式発表という形になりました。前口選手との『FIGHT CLUB』の一戦は所属変更後の初陣だった。Jリーガー時代につけていた『背番号41』を背負ってリングに立つことも実現したんで、どうしても勝ちたかったんですよね」

 ――YSCCではどのような活動を?

「地域の人たちにキックボクシングを体験してもらって老化防止や健康増進を図ったり、不登校やいじめなどに悩む青少年たちの健全な精神育成にも寄与すべく動き出しています。Jクラブがキックボクシングクラブを持ったら社会貢献範囲も確実に広がる。そうなっていくように仕向けていきたいと思っています」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 2

    ソフトB近藤健介の原動力は「打倒 新庄日本ハム」…憂き目にあった2022年の“恩返し”に燃える

  3. 3

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 4

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  5. 5

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省に一喝された過去

  1. 6

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  2. 7

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  3. 8

    藤浪晋太郎に日本復帰報道も、古巣阪神出戻りは「望み薄」…そして急浮上する“まさか”の球団

  4. 9

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 10

    自民・鶴保失言「運のいいことに地震」で苦戦の二階ジュニアに赤信号…参院選“仁義なき紀州戦争”決着か