2敗キープで5月場所単独トップ 湘南乃海が捨てた「四つ相撲」へのこだわり 

公開日: 更新日:

 素質を考えれば、幕内下位でウロウロしていい力士ではない。

 22日、前頭10枚目の湘南乃海(26)が同16枚目の宝富士との2敗対決に勝利。結びの一番で、同じく2敗をキープしていた大の里豊昇龍に敗れ、湘南乃海が一躍、単独トップに立った。

 194センチ、190センチ。幕内でもひときわ大きな体格を誇りながら、最高位は前頭5枚目。昨年7月場所が新入幕という新鋭とはいえ、上位の壁にはね返されてきたが、若手親方は「今場所の相撲が今までで一番いい」と、こう続ける。

「以前は『まわしを取らなきゃ勝てない』と思い込んでいたのか、四つ相撲にこだわりすぎていた。それが今場所は形にこだわらず、ひたすら前に攻め続けている。ベースは左四つだが、突き押しも得意で、右四つもいける。対戦相手にすれば、幕内随一の巨漢が状況に応じてあの手この手を駆使しながら、休まずにガンガン前に出てくるのだから、たまったものじゃありませんよ」

 中学時代までは「エースで4番」の野球少年。当時から俊敏だったと評判で、6日目には錦富士を土俵際、素早く足を払って寄り切った。

 12日目は関脇の阿炎戦。今後は上位陣との対戦が中心となる。一味違う相撲で、賜杯を掴めるか。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘