トライアウト消滅で危惧されるクビ選手の「ホームレス化」…受験経験のある球界OBが語ったリアルな声

公開日: 更新日:

現役ドラフトにシフトチェンジ

 トライアウトの結果を踏まえて、改めて入団テストをやってみよう、育成契約で拾ってみよう、というケースはゼロではないが、参加選手は携帯片手に眠れない日々を過ごしても、報われる可能性は極めて低いのだ。

 しかも、トライアウトを経て、NPB復帰を目指す戦力外選手の受け皿として期待された、今季から二軍球団として新規参入した新潟オイシックス、静岡くふうハヤテからのNPB復帰選手は今のところゼロである。

 プロの目に留まる機会が増えたにもかかわらず、「ドラフト対象の若手選手はともかく、環境的にも一度戦力外になった選手が再び輝きを取り戻すことは難しい」と、セ球団の編成担当は明かす。

 実際、今季は元阪神高山俊、元ソフトバンク福田秀平ら、一軍で実績のある選手が二軍球団に所属していたが、見向きもされなかった。

「NPB球団の中堅、ベテランクラスの補強の場は、一昨年から導入された現役ドラフトにシフトチェンジしている。ドラフトでは育成選手との契約が増えているし、リハビリ期間中の選手は育成再契約にすることも常態化。球団はすでに多くの選手を抱えているわけで、トライアウトはいよいよ存在意義を失っている」(前出の編成担当)

 一方、トライアウトが消滅することで、路頭に迷う選手が続出しかねない、との危惧もある。

 トライアウトはアピールの場であると同時に、選手が現役生活に区切りを付け、引退を決断するための「セレモニー」の場でもあった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋