全米オープン日本勢惨敗で考えた一流の境地…今のままでは舞台に恐れおののき、完敗するだけ
毎度メジャーでは、まるで通用しない国内ツアーから参戦する男子プロ。何が原因なのだろう。
ここに、理解の一助となる貴重な文献がある。かつてJ・ニクラスと同じオハイオ州立大に留学し、そのニクラスをはじめ世界のトッププロとの交流などで世界に通じ、後にゴルフ評論家、ゴルフ場設計家として名を馳せた金田武明氏(故人)が残した論評である。
金田氏はこう論じている。
「コースにとってのスリル(恐怖)は中心的な課題である。いいコースはスリルに満ち、ゴルファーの興味をいやが上にも盛り上げる。プロとなれば、スリルを純粋に楽しむ余裕がない。しかし冒険しなければバーディー、イーグルは取れない。そこで彼らは低い確率を少しでも高めるために精神、技術を磨く。スリルとは喜び、楽しむものというより、自らを高めることで平凡無害にしなければならないものである」
ゴルフでは「コースが人を育てる」という。難コースで自らを高めるのが世界の一流プロだとするなら、安易なコースに慣れてしまった国内プロが海外メジャーにスポット参戦しても、舞台に恐れおののき、完敗するのみだ。