長嶋茂雄さんといえばやっぱり展覧試合。僕は自宅で正座、テレビにかじりついて見ていました
へなちょこの僕が語るのは恐れおおいけど、やっぱり長嶋さんといえば天覧試合(1959年6月25日)だよね。高校を卒業して就職した会社を3カ月で辞める間際だったからよく覚えている。自宅で正座してテレビにかじりついていたよ。
名物の鳴り物が禁止になって、後楽園球場で見ているファンにも独特の緊張感が広がる中での阪神戦でした。手に汗握る熱戦で4対4で迎えた九回裏、長嶋さんが2ボール2ストライクからの5球目をサヨナラで左翼中段に叩き込むんだから立ち上がって喜んだよ。
でもあの日、七回には王さんが阪神に追いつく同点2ランを放っているんだよ。つまり、天覧試合がONアベック弾の1回目なのに、語り継がれるのはあのサヨナラ弾ばかりでしょう。シーソーゲームの中で起きていたいろいろなことが、長嶋さんのひと振りに打ち消されちゃった。千両役者は違うなぁとつくづく思ったよね。
その長嶋さんはご機嫌でスキップしながらダイヤモンドを一周してホームイン。紳士球団であの行動は、長嶋さんでなければ絶対に許されなかったと思うよ。