我々長嶋世代の居場所は世の中の真ん中にはない。でも僕らは長嶋に励まされ、青春を生きてきた

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 “燃える男”、“ミスター”の愛称で国民的人気を誇ったプロ野球巨人監督の長嶋茂雄さんが6月3日、都内の病院で肺炎のために亡くなった。享年89。選手、監督として数々の伝説、逸話を残した「ミスタープロ野球」は、身近に接した者すべてにそれぞれの「長嶋茂雄像」を強く印象づけてもいる。

 今回は日刊ゲンダイ特別号「追悼 長嶋茂雄 50人の証言」に収録されたスポーツライターの小林信也氏による回顧録を特別公開する。 

  ◇  ◇  ◇

 長嶋さんを「国葬で送ろう」という声は上がらなかった。そんなものかと思う。僕は感謝を込めて「国民葬」で送りたいと願い、「6月25日夜9時10分、天覧試合で長嶋がサヨナラホームランを打った時刻にそれぞれの居場所で夜空に献杯し、〈長嶋さん、ありがとう!〉と叫びませんか」と呼びかけている。

 長嶋とは何者だったのか? その核心を知らない世代がすでに日本の大勢を占めている。なぜあれほど愛されたのか? 追悼報道ではほとんど語られなかった。チャンスに強い男、底抜けの明るさ、天衣無縫。長嶋は〈民主主義〉を実感できなかった日本人に「自由奔放」とか「型にはまらない発想」を体で教えてくれた。

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