「甲子園に行く方法、教えます」…東京を代表する中学・学童指導者2人が徹底指南
仙台育英の主将になった教え子の特徴は…
「うちは他の強豪チームと比べて勝利至上主義ではなく、楽しく野球をやるのがモットー。学童では負けてもいいんです。それより高校までは野球を続けて欲しいので、細かいことより、中学に入学してからも通用するように、打者は打球を遠くへ飛ばす、投手なら速い球を投げるといった基本的な指導を重視しています」
越中島ブレーブス出身で昨年まで名門・仙台育英(宮城)で主将を務めた湯浅桜翼(早大1年)は、高校2年の春夏に甲子園の土を踏んだ。
2年生ながら3番打者としてポイントゲッターの役割を担い、2023年夏の甲子園決勝で慶応(神奈川)に敗れた試合も「3番・三塁」でフル出場。後にU18日本代表候補にも選出された。
「桜翼は小学校入学前の年中さんの時に入部。グラブさばきが抜群で守備がうまかったから、1年時に4年生の大会に、4年時に6年生の大会に出ていました。肩や足は普通でしたが、走者の時のスタートとか、野球勘のいい子だった。これは教えてできることではありません」(権丈代表)
打撃も抜群に良かった。権丈代表が続ける。
「ミート力があってライナーで内野手の間を抜く感じ。右打者だけど左でもヒットを打ったり、センスの塊ですね。ただ、桜翼が歴代の部員の中でナンバーワンだと思うのは他のことなんです」とこう言った。
「例えば他の子がコーチに注意されていると、その脇でやりとりを聞いていて、自分も直すんです。だから、怒られたことがないんじゃないかな。小学生なんて自分が怒られても、右から左がほとんど。桜翼は人へのアドバイスも全部自分のものにしちゃう。この能力で仙台育英の主将にまでなったんじゃないでしょうか」
湯浅は東京の駿台学園中の軟式野球部から仙台育英へ。
「体がそれほど大きくなかったし、まさか仙台育英であんなに活躍するとは思いませんでした。中学も高校も桜翼に合っていたんでしょうね。自分のレベルより少し上くらいのチームを選ぶのがポイントです」(権丈代表)
前出の北口監督はこう見る。
「強豪校に入ってもベンチに入れないじゃつまらない。もちろん本人の希望は聞きますが、私は試合に出られそうな高校を勧めています」