“島流し”されたドミニカで苦労した言葉と食事…寮はジャングルの中にポツンとあった
寮なので、食事は毎日食堂で提供されていたが、鶏肉やマッシュポテト……とまあ、質素なものだった。
選手たちがトレーを配膳の場所に置くと料理の入った皿がどんどんトレーに置かれていく。それを受け取ると、何人も食堂の外に飛び出していく。何かと思って見ていると、アボカドを木から直接もぎ取り、自分でむいて皿の上に置いて食べていた。上質なアボカドなのだろうが、俺はどうしても食べることができなかった。
試合に行けば、イニングの間にサトウキビジュースが出た。サトウキビをバキッと割って「これ飲め」と言われたが、これがめちゃくちゃまずかった(笑)。周りのみんなは飲んでいたけど、「甘い竹の味」にしか感じられなかった。
そんな食生活だから、ドミニカでも食事には苦労した。ドミニカの首都サントドミンゴにあった日本食レストランに行ってみたこともあったが、正直言って、口に合わなかった。
しかも、片道2時間かかる場所だったから、行けたとしても休前日。米国では繁華街に出るのも苦労しなかったが、ドミニカでは街に出ようにも、寮がジャングルの中にポツンとあるので一苦労だった。隣町のゲラまで行くためにはカブに乗せてもらい、砂利道を20~30分走らなければいけない。さらにサントドミンゴまでとなると30キロ以上ある。そのときは乗り合いバスを使ったが、1時間半~2時間はかかった。
しかも、このバス、ドアがついていないまま走っていたから、怖くて仕方なかったね。