恩師の口から語られた“KKドラフト”の真相…「私も知らない。桑田も知らなかったと信じている」

公開日: 更新日:

あのとき私は、1位指名終了後に、体育館に設けられた会見場で清原と彼の両親とひな壇に座ることになっていたから、野球部の研志寮で待機していた。次から次に読み上げられる『清原』の名前をテレビの音声で聞いていたら、最後に『第1回選択希望選手、読売……桑田真澄』という声が耳に飛び込んできたから、ビックリした。瞬間、『アッ!』と思わず大声を出してしまったことだけは覚えているけど、そのあとのことはもうてんやわんやで、はっきりとした記憶がないんだよ」

 当時の新聞には、「2人の純粋な気持ちをぶち壊す指名。ボクとしては巨人と会う気はない」という監督のコメントが残っている。監督にとっても寝耳に水だった。

「桑田には、本人の口から『早稲田に行きたい』と聞いていたし、そのつもりで受験の準備もしていた。実は、ドラフトの前に広島の木庭スカウトが私を訪ねてこられた。目利きでならした木庭さんは当時、プロ野球スカウトのまとめ役を務められていて、12球団を代表して話をしたいということだった。聞かれたのはただひとつ。『桑田君は本当に早稲田に進学されるんですね。間違いないですね』ということだった。私は、『本当ですよね? と聞かれても、私は桑田からそういう希望を聞いています。間違いないも何も、私も桑田もそのつもりで準備しています。不安に思われるなら、桑田のご両親に聞いてみたらいかがですか』と言って、実際に面談をしていただいたくらい。今思えば、プロの中には『進学希望の桑田を強行指名する球団があるかもしれない』という話が出ていたのかもしれない。でも、そんなことは私は知らないし、もちろん桑田も知らなかったと信じている」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  3. 3

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 4

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 5

    高市首相「世界の真ん中で咲き誇る日本外交」どこへ? 中国、北朝鮮、ロシアからナメられっぱなしで早くもドン詰まり

  1. 6

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  2. 7

    阪神・佐藤輝明の侍J選外は“緊急辞退”だった!「今オフメジャー説」に球界ザワつく

  3. 8

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  4. 9

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  5. 10

    古川琴音“旧ジャニ御用達”も当然の「驚異の女優IQの高さ」と共演者の魅力を最大限に引き出すプロ根性