教え子の元巨人・川中基嗣の実家は太かった。あんなプロ入りパーティーは彼くらいだろう
スローイングに欠点はあったものの、とにかく俊足だった。一緒に練習会に来たご両親と食事に行き、数日後、「お世話になりたいです」と連絡が入った。関西の複数の有名私大から誘われていたにもかかわらず、東洋大を選んでくれたようだった。
入学後もスローイングはいまひとつだった。優勝の懸かった駒大との試合で、暴投したこともある。
恵まれた環境で育ったせいか、ノンビリした性格で、ちょっとしたことでは動じない。ガツガツしたところがなく、練習も淡々とこなすタイプだった。(この項つづく)
▼たかはし・あきお 1948年6月8日生まれ。大宮工(埼玉)、東洋大、日産自動車を経て、72年、23歳で東洋大野球部監督に就任。今年、監督42年目を迎えた。東都リーグ通算509勝は歴代1位。全日本選手権4回、明治神宮大会2回優勝。プロに進んだ教え子は30人を超える。2022年9月7日、敗血症により死去。74歳だった。
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当連載「大人気連載プレイバック」は火・水・木曜公開。高橋監督が元阪神・今岡真訪氏について綴った回は、関連記事から要チェックだ。