柔道五輪金メダリスト・松本薫さんは2週に1度ファミリーフィッシングで堤防へ「胸の奥には大物への渇望がくすぶっています」

公開日: 更新日:

「野獣の気配」で魚が逃げる

 いいことずくめですが、堤防釣りでは狙える魚種も限られますよね。でも、私は大物を釣り上げてみたい。その思いがカワハギ釣りの時からずっとくすぶっているんです。

 今年の春先、そのチャンスがやってきました。いけすの釣り堀で、大きなタイを掛けたんです。ヤッター! と喜んだのも束の間、息子が「僕が!」と言うので竿を譲ってやり……。よっぽどうれしかったんでしょう。それから1週間経っても、保育園でも周りに話していたみたい。釣り熱に拍車がかかり、いまでは登園前の1時間、通園路近くの小川で朝釣りに付き合わされています。

 そんな姿にほほえましくなりますが、あの瞬間を思い出すたび、本当は私のだぞ、私が釣りたかった、と思ってしまう自分がいます(笑)。

 いつになったら私にも大物が釣れるんでしょう。アジより大きな魚を釣ってみたい。柔道で培った集中力や忍耐力などは釣りに役立っているかもしれませんが、心なしか「野獣の気配」で魚が逃げている気がするんです。もしも専門家の方が一緒なら、私でも釣れるかもしれない。テレビ番組からのお誘いが来る日を待ち焦がれています。

 他には、イカを釣ってみたい。何度か挑戦してもダメで、いまや家族の悲願です。これからも安全第一で、楽しく釣りを続けていきたいです。

(構成=杉田帆崇/日刊ゲンダイ

松本薫(まつもと・かおり) 1987年9月11日、石川県金沢市生まれ。5歳から柔道を始め、2012年ロンドン五輪で金、16年リオ五輪で銅メダルを獲得(いずれも57キロ級)。試合に臨む際に見せた激しい闘争心と気迫あふれるまなざしから「野獣」の愛称で知られるようになった。19年に引退。現在は㈱ダシーズファクトリーで幼少期からの夢だったアイスクリーム事業に携わり、商品開発などを手掛けている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因