大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

公開日: 更新日:

「あと3イニング、いけますよ」

 日本時間29日、ワールドシリーズ第4戦の六回表、ブルージェイズの攻撃が終了したときのことだ。

 この回を三者凡退に打ち取ってベンチに引き揚げた大谷翔平(31=ドジャース)は、プライアー投手コーチに「あとどれくらいいけるか」と聞かれると、こう答えたという。つまり完投できるという意思表示だ。

 前日の第3戦は延長十八回、6時間39分に及ぶ死闘だった。大谷は2本塁打、2二塁打の4打数4安打、5四球(うち4つは敬遠)。計9出塁でグラウンドを走り回った。

 延長十一回の第6打席は2死走者なしから敬遠、続くベッツの左前打で二塁へ向かった際、右足のけいれんで減速。大谷がけいれんを発症するのは疲労がたまっている証しでもある。イニングの合間に水分や栄養補給で何度もクラブハウスに向かったが、違う帽子をかぶってベンチに戻ろうとしたこともあったと米メディアに報じられた。疲労の色は隠せなかった。

 試合終了時点で11時半過ぎ。寝たのは深夜2時ごろだったとか。10時間寝るのが理想の大谷が睡眠不足だったのは想像に難くない。

 そんな状態で29日の試合に「1番・投手」で先発出場。6回3分の0を投げて6安打4失点、6奪三振(打っては3打数無安打、1四球)。最速は99マイル(約159.3キロ)だった。投げるたびに100マイル(約161キロ)以上をマークしてきただけに、疲労残りは明らかだ。チームもブルージェイズに敗れ、対戦成績は2勝2敗(7回戦制)の五分になった。

 それでもコーチに「完投できる」と言えるメンタリティーの持ち主が大谷だ。エンゼルス時代はダブルヘッダーの1試合目に完封勝利。2試合目は休養を勧める首脳陣を制して出場、2打席連続本塁打を放って試合中にけいれんを起こしたこともある。

 試合後のロバーツ監督が「ショウヘイはよくやった」とねぎらったのは、そんな大谷の精神面を評価しているからだろう。

 しかし、それは危険な兆候でもある。NHKBS「メジャーリーグ中継」の元解説者で評論家の秦真司氏がこう言う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  3. 3

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  2. 7

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  3. 8

    ドジャースが村上宗隆獲得へ前のめりか? 大谷翔平が「日本人選手が増えるかも」と意味深発言

  4. 9

    巨人が現役ドラフトで獲得「剛腕左腕」松浦慶斗の強みと弱み…他球団編成担当は「魔改造次第」

  5. 10

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  3. 3

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  4. 4

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  5. 5

    やす子の毒舌芸またもや炎上のナゼ…「だからデビューできない」執拗な“イジり”に猪狩蒼弥のファン激怒

  1. 6

    羽鳥慎一アナが「好きな男性アナランキング2025」首位陥落で3位に…1強時代からピークアウトの業界評

  2. 7

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 8

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった

  4. 9

    渡部建「多目的トイレ不倫」謝罪会見から5年でも続く「許してもらえないキャラ」…脱皮のタイミングは佐々木希が握る

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」