読売新聞社主導で「長嶋茂雄賞」新設も…巨人に「候補者ゼロ」の悲しい現状

公開日: 更新日:

 NPBは10日、今年89歳で亡くなった巨人長嶋茂雄終身名誉監督の功績を称え、来季から「長嶋茂雄賞」を新設することを発表した。

 12球団の選手を対象に、その年の公式戦、ポストシーズンにおいて、走攻守で顕著な活躍をし、長嶋氏のようにグラウンド上のプレーでファンを魅了するなど、プロ野球の価値向上に貢献した野手を選び、表彰するという。選考基準や選考委員会の人選などは未定だが、投手の「沢村賞」の位置づけになるとみられる。

 今季で言えば、両リーグ最多の40本塁打、102打点をマークし、リーグ優勝に大きく貢献した阪神佐藤輝明(26)が選ばれる可能性が高そうだが、個人名を冠した長嶋賞の創設は、沢村賞、正力賞と同じく、巨人の親会社である読売新聞社が主導したと言われている。巨人から栄えある第1回の受賞者が選ばれれば、“制定者”としても万々歳だろうが、今の巨人には受賞を期待できそうな野手がいないのが現状だ。

 コーチ経験のある球団OBがこう言う。

「主砲の岡本和真が今オフ、ポスティングでメジャー移籍が決定的。丸佳浩坂本勇人はとうに全盛期を過ぎている。今季2年目で自身初の3割をマークした泉口友汰、今月の韓国との強化試合で侍ジャパン入りした岸田行倫あたりに期待したいが、12球団の野手との比較となると、阪神の佐藤輝はもちろん、今季パで唯一、30本塁打をクリアした日本ハムのレイエスらのカベは分厚い。個人成績を大きく伸ばすのはもちろん、チームが日本一になってようやく俎上に載れるかどうか……」

 ドラ1で入った3年目の浅野翔吾、1年目の石塚裕惺といった期待の若手もいるにはいるが、巨人から長嶋賞が出るのはいつになることやら……。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み