箱根駅伝は世界と無縁で半端な距離の真剣勝負 いまや国内頂点と世界挑戦の両立は難しい
「私には他大学の指導者のような箱根へのこだわりはないんですよ」
好き嫌いはあるだろうが、ウソを言わない指導者だ。
広島の世羅高校、名古屋の中京大から中国電力陸上部の草創期に活動。箱根駅伝の全国化は87年のテレビ中継開始からで、それまで関西方面での注目度は希薄だった。こだわりのない指導者が、新たな箱根路をつくったのだ。
箱根駅伝の特徴は、標高差800メートルを上り下りする2区間より、21キロの10区間という長丁場の継走にある。マラソンでも1万メートルでもない、世界と縁のない半端な距離の真剣勝負だ。
いまやスポーツは国内の頂点と世界挑戦の両立が難しいところまで煮詰まっている。駅伝が「世界への挑戦 高速化後押し」(読売新聞)という考えは空論で、箱根を世界に紐づけるなら、国際基準のドーピング検査などが求められる。関東学連理事の工藤洋治弁護士が「陸上競技研究(139)」(日本学生陸上競技連合)でドーピング検査の厳しい実態を報告している。400メートルハードル代表の疑惑を晴らすまでの膨大かつ煩雑な手続きと費用を考えれば、駅伝の国際基準導入は現実的ではない。


















