“裏拳”の名手だった古葉竹識さん ミスしたボクのわずかなスキを狙ってみぞおちに…

公開日: 更新日:

「監督さん、うちの息子はどつくほど頑張るヤツです。遠慮せんと思い切りどついてやってください」

 その時、苦笑いを浮かべていたやさしそうな古葉さんが、鬼軍曹と恐れられた大下(剛史=守備走塁コーチ)さんに次ぐ鉄拳指導者だと気づくまでには、それほど時間はかかりませんでした。

 入団1年目からよく裏拳をもらい、ベンチの後ろでうずくまったものです。裏拳はチームメートも気づかないほどの絶妙なタイミングで、リストをきかせてみぞおちに決めてきます。テレビ中継のある巨人戦でもお構いなし。ミスしたボクがグラウンドに背を向けた一瞬のスキを狙ってくるのです。

 プロ2年目のオープン戦ではファンの前で蹴りを入れられました。下関での大洋(現横浜)戦。右翼についたボクの前に詰まった打球が飛んできました。猛然とダッシュし、ワンバウンドでグラブに収めるはずが、たまたま芝枯れの砂地に打球が落ちて予想したようにはバウンドしません。

「アレレレ……」

 ボクは打球を置き去りにしたまま遊撃手の後ろまで行き、慌てて引き返すと打者は余裕の二塁打です。チェンジになると、無表情の古葉さんがベンチから出てきていきなりボクの太ももの内側を右足で蹴り上げたのです。内野スタンドは満員です。声を上げるわけにもいかず、痛さをこらえながら急いでベンチ裏に引っ込みました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《タニマチの同伴女性の太ももを触ったバカ》を2発殴打…元横綱照ノ富士に大甘処分のウラ側

  2. 2

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    年内休養の小泉今日子に「思想強すぎ」のヤジ相次ぐもファンは平静 武道館での“憲法9条騒動”も通常運転の範囲内

  5. 5

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  1. 6

    『SHOGUN 将軍』シーズン2撮影中の榎木孝明さん「世界的な時代劇映画のプロデュースに関わりたい」

  2. 7

    横綱・豊昇龍が味わう「屈辱の極み」…大の里・安青錦休場の5月場所すら期待されないトホホ

  3. 8

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  4. 9

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  5. 10

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に堕ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体