中村敬斗〈後編〉「ブラジル戦の同点弾を娘とスタンドで見ながら胸が熱くなった」(三菱養和サッカースクール・生方修司)

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FW中村敬斗(フランス2部スタッド・ランス/26歳)

 中村がW杯メンバーに選ばれると三菱養和SCとしては、前回カタール大会に参戦した相馬勇紀(町田)に続くW杯戦士となるが、彼らを指導した生方チーフコーチは「(町田の)相馬、望月ヘンリー海輝と3人で本大会に行ってほしい」と熱望。固唾をのんで5月15日の代表発表を見守る──。(前編から続く)

  ◇  ◇  ◇

 ──2017年U-17W杯の直後の12月、中村は高2でガンバ大阪入りすることが正式決定した。

「ガンバのスカウトだった青木良太(現強化担当)が養和出身で、敬斗が中学生の頃から熱心に見てくれていました。高校生になった時には『ウチが取りに行きます。どうしてもほしいんで』と言ってくれて、熱心に追いかけてくれました。当時東京ヴェルディの監督だった永井秀樹(神戸GM)も僕の大学時代の後輩なんで、興味を持ってくれましたけど、本人は関東で対戦してきたチームに行くことには抵抗があったのかもしれない。全く知らない関西のガンバの方がいいと思ったのかもしれません。加えて言うとガンバはレヴィ・クルピ監督が2018年から指揮を執ることが決まっていた。セレッソ大阪で香川真司(C大阪)や柿谷曜一朗(解説者)を早くから使ったブラジル指揮官が敬斗をもの凄く気に入って『すぐに来てほしい』と言ってくれた。それも大きかったと思います」

 ──そのクルピ監督は半年も経たないうちに解任され、宮本恒靖監督(JFA会長)と交代。その体制で中村選手はU-23に落とされました。

「まさに天国から地獄ですね。そこからオランダのトゥウェンテに行くまでの1年間は、本当に苦労したと思います。でも宮本監督には守備強度が足りないことに気づかせてもらえた。今となれば本人も凄く感謝していると思います。U-23の担当だった森下仁志監督(東京Vコーチ)にも親身になって指導してもらえ、2019年にはYBCルヴァンカップのニューヒーロー賞をもらえた。副賞のお菓子を全部、養和に持ってきてくれたのは、今も僕らにとっていい思い出です」

 ──2019年のU-20W杯直後の渡蘭後も短期間でベルギー、オーストリアを転々とするなど、苦しい時間が長かったですね。

「『ガンバに戻ってこい』という話もあったようですけど、敬斗は弱いところは絶対に見せない人間。『今の環境でやるだけなんで』と常に前向きでした。コロナ禍の頃は本当に辛かったでしょうけど、僕も点を取った時には『おめでとう』『ボールに足が乗ったシュートだったね』とメッセージを送って励ましたりはしていました。養和時代から書いていたサッカーノートにも『何歳でこのリーグに行く』と明確な目標を設定していたので、その通りに行かず悩んだこともあったと思いますが、本人は上だけを目指して努力を続けていましたね」

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