「日本の雇用が危ない」西谷敏ほか著

公開日:  更新日:

■安倍政権の「労働規制緩和」を徹底批判

 アベノミクスは小泉改革を引き継いで「規制緩和」を掲げる。その手法のひとつが「特区」方式。通常の法律のしばりをくぐりぬける特例地区を設け、試験的な施策を取り入れようというわけだ。

 そこで出てきたのが「雇用特区」。そのココロは「普通は各種の労働者保護政策のおかげでやりづらい馘首(かくしゆ)を、企業側に好都合なかたちで実施する」というもの。本書はアベノミクスに批判的な全国の経済学者たちが集まって安倍政権の手法のカラクリをあばこうという論集だ。

 もっとも一般書ではなく、あくまで専門書だから議論のハードルは高い。中間管理職の残業を事実上無制限にする「ホワイトカラー・エグゼンプション」、正社員の中に構造的に格差を生み出そうとする「ジョブ型正社員」制度、近ごろ目立つようになってきた「解雇権」の乱用問題など、まさにいま現在の課題事項がくわしく解説、分析、批判されている。労組担当者などはこれを精読することで交渉の質が大いに上がるに違いない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「給料は我慢したのに」と戦力外通告の選手に言われて…

  2. 2

    偽装離婚で資産隠し 羽賀研二を“金の亡者”に変えた原点

  3. 3

    次女コウキのデビュー遠因か…父・木村拓哉が漏らした本音

  4. 4

    劇的試合続くも外国人記者ソッポ…錦織圭はなぜ“不人気”か

  5. 5

    日テレ料理番組終了で…速水もこみち“レギュラーゼロ”危機

  6. 6

    厚労省にポストと金を握られ…監察委“お手盛り報告”の必然

  7. 7

    「笑点」歴代司会者で一番やりづらかったのは前田武彦さん

  8. 8

    愛娘の元彼・羽賀を“希代のワル”と見抜いた梅宮辰夫の慧眼

  9. 9

    冷静と興奮…狂気さえ感じさせる菅田将暉の名演技に脱帽

  10. 10

    毎勤不正「組織的関与なし」幕引き図る監察委のデタラメ

もっと見る