「天の光」葉室麟氏

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「常識ある人たちから見ると、勝手に奥さんを捨てて京都に上ったおまえが悪いということになる。しかし表現者という人間は何かしら業のようなものを背負っていて、真の表現にたどり着くには地獄をくぐり抜けなければならない。天才的な才があれば変に曲がりくねった道を行かなくてもできるのかもしれないが、才貧しき人間はそうやってのたうち回るしかないですよね」

 清三郎も自分には力がないから踏み迷っていくしかないと自覚する。そして、そのために自分の家族が酷い目に遭ったとしたら、自分の表現行為は一体何だろうということを突きつけられる。

「人は大体凡愚であって過ちを繰り返してしまう。それでもあえて一歩踏み出して一生懸命やるしかなかった人間がいたのだ、と。そうした感慨も込めています」

 著者は来年でデビュー10年を迎える。

「桃栗3年、柿8年、ユズは9年で花が咲く。今年は9年目で一区切り。来年からまた新たなスタートを切っていく感じでしょうか」
(徳間書店 1500円)

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