「ロボコン」ニール・バスコム著、松本剛史訳、松井龍哉・日本版監修

公開日: 更新日:

 物語の舞台は、カリフォルニア州ゴリータにあるドスプエブロス高校。人種も家庭事情も異なる雑多な生徒が集まるこの高校に、アメリカの教育に革命を起こそうという夢を抱く物理教師シャイア・アミールがいた。

 改革の突破口となるのは、全米最大の高校生ロボコン「FIRSTロボットコンテスト」への出場だ。ロボットづくりは全くの初心者という4年生たちが、ロボットの設計から工作、組み立て、配線、プログラミングまですべてをまとめて大会に臨まなければならない。

 限られた時間のなかで、果たして高校生たちはどのような変化を遂げたのか……。

 本書は、実際のFIRSTロボットコンテスト選手権に参加したひとつのチームを、製作期間から本選に至るまで追いかけ、個性豊かな高校生たちの姿をリアルに描いた青春ノンフィクション。学ぶ意欲を失い、バラバラだった子どもたちが、自信を取り戻しチームづくりに目覚めていく様子が頼もしい。
(集英社 1800円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性