• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「はい、チーズ」カート・ヴォネガット著、大森望訳

「タイタンの妖女」や「母なる夜」などの長編で知られる、2007年に逝去したアメリカの人気作家カート・ヴォネガット。

 本書は、彼が1950年代に書いた未発表の短編を集めた「Look at the Birdie」の翻訳本だ。執筆当時、30代だった著者がさまざまな技を尽くして繰り広げた短編は計14編。SFあり、ファンタジーあり、サスペンスあり、人情話ありと、その幅の広さに驚かされる。

 表題作「はい、チーズ」は、バーで出会った正体不明の男から、気に入らない人間を罪に問われずに殺す方法を聞くことになった男の話だ。正体不明の男は元精神科医と名乗り、話の途中で妻を呼んで無理やりその男の写真を撮らせる。男が写真を撮られた意味を悟ったとき、元精神科医の恐ろしい意図が見えてくる構成になっている。全編、突拍子もないアイデアを、あらゆるテクニックを駆使してさらりと仕上げる手腕は見事というしかない。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    浮いた話もなし…波留の“私生活”がベールに包まれるナゾ

  2. 2

    90年代はやりたい放題だった…とんねるずへのノスタルジー

  3. 3

    野田聖子氏周辺に疑惑 仮想通貨「GACKTコイン」接点は?

  4. 4

    乃木坂46白石麻衣 不可解なドタキャン騒動に大ブーイング

  5. 5

    なぜ? 「大阪万博」スポンサーに米国カジノ企業が次々と

  6. 6

    安倍首相を守り栄転 太田理財局長は“論功行賞”で主計局長

  7. 7

    広島追撃にキーマン不在…巨人・坂本は長期離脱の可能性も

  8. 8

    安倍首相を悩ませる 金正恩の「拉致問題」への対応一変

  9. 9

    ユニクロの狙いは? フェデラーと“10年300億円契約”の意味

  10. 10

    48歳・仙道敦子「この世界の片隅に」で女優復帰の舞台裏

もっと見る