「竹鶴政孝とウイスキー」土屋守著

公開日: 更新日:

 放映中のNHK朝の連続ドラマ「マッサン」は、国産ウイスキーの基礎を築いた男の一代記。ドラマの主人公の名は亀山政春、スコットランド人の妻はエリーだが、モデルとなった人物の実名は竹鶴政孝とリタ。

 竹鶴は明治27年、広島県竹原町の造り酒屋の三男に生まれた。大阪高等工業学校醸造科を卒業後、当時の洋酒業界を牽引していた摂津酒造に入社。社長の阿部喜兵衛に背中を押されて、本場のウイスキーの製造法を学ぶために、単身スコットランドに渡る。体当たりで蒸留所の門をたたき、スコッチウイスキーの製法を実習。その克明な記録が「竹鶴ノート」として残っている。

 著者は英国在住が長く、ウイスキーライターとして知られている。竹鶴ノートを読み解き、丁寧な注釈をつけて、ほとんどそのまま掲載している。人物伝より、こちらのボリュームが大きいのだが、ウイスキー好きにはまたとない参考資料。原料や製造方法はもちろん、労働者の待遇問題や販売方法にまで言及している。スコッチに引けをとらない「日本のウイスキーをつくる」という竹鶴の「本気」がひしひしと伝わってくる。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    北島三郎(3)「北島ファミリー」の長女・原田悠里が語る御大

  2. 2

    バナナマン日村が簡単に復帰できそうにない「もう1つの理由」…レギュラー11本抱える人気者のジレンマ

  3. 3

    「マクドは健康保険と年金に加入できてよかった」 シニアが働き続けるために必要なこととは?

  4. 4

    東京・蒲田の2駅結ぶ蒲蒲線、大田区と地元を取材して分かった実現のハードルと地元の思い

  5. 5

    NHK夏の音楽特番「うたであえたら」は北川景子のMCが見事 カオスと化した近年の紅白はお手本に

  1. 6

    菊池風磨はジャニー喜多川氏の“推薦”もあって慶大総合政策学部に進学 仕事の合間に1日10時間の猛勉強

  2. 7

    KDDIが楽天モバイルへの「ローミング」終了でライバルの“品質低下”を狙い撃つ

  3. 8

    豊昇龍が長期離脱で大の里までピンチ! “ひとり横綱”の重圧で「共倒れ」にならないか

  4. 9

    徳川光圀(1)水戸黄門は全国漫遊などしていない 主に出かけたのは江戸と領地の往復

  5. 10

    永野芽郁がキャバ嬢で「復帰」もM!LKファンやきもき…共演するかもしれない佐野勇斗への“キラー”ぶり警戒