「退職金貧乏」塚崎公義著

公開日: 更新日:

 老後の生活のための“虎の子”である退職金。しかし、長生きしているうちにインフレが進み、いつの間にか大切な蓄えが底をつくという最悪の事態も起こり得る。

 塚崎公義著「退職金貧乏」には、投資の経験や知識が少ない人のための資産運用術が記されている。

 長生きのリスクとインフレのリスクの両方に対応できる、いわば“守りのマニュアル”だ。

 ちまたでは“老後には1億円が必要”などという情報が出回り不安をあおるが、本書では65歳時点で、退職金も含めて2000万円程度あれば十分としている。ただし、年金の受け取りは標準的なサラリーマン夫婦で32万円が受給できる70歳まで我慢するのが理想だ。70歳以上の無職世帯の平均支出は月26万円であるため、年金で十分に暮らしていける。しかし、不慮の出来事やインフレによる生活費増加に備えて、やはり資産運用を行っておきたい。

 本書ではモデルケースを設定しながら、“長生きしても大丈夫”な資産運用の手順を分かりやすく紹介している。70歳時点では、金融資産は銀行預金と物価連動国債、変動金利型国債が10%ずつ、日本株と外貨が35%ずつという配分になっているのが、インフレにも耐えられる理想の形だという。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明