「メガ! 巨大技術の現場へ、ゴー」成毛眞著

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 兵庫県にある独立行政法人理化学研究所の放射光科学総合研究センターが所有するX線自由電子レーザーの施設「SACLA」は、いわば顕微鏡なのだが、その長さは700メートルもある。

 その他、出版社と書店を取り次ぎ、1日200万冊を扱う日本出版販売株式会社(日販)の巨大システムや、東海道・山陽・九州新幹線の運行をつかさどり、巨大なシステムと緻密な制御が同居する「新幹線総合指令所」、海底1万メートルまで掘れる掘削機械を備えた地球深部探査船「ちきゅう」、福島県いわき市から20キロの沖合に設置された世界初の「洋上浮体式」風力発電システム、そしてあのCERN(欧州原子核研究機構)の全周約27キロの加速器「LHC」まで。国内外のさまざまな巨大技術の現場を紹介する。

 大きさは、ただそれだけで見る者に例えようのない爽快感をもたらしてくれる。さらにどの現場も圧倒されるほどの巨大さを誇りながら、細部は驚くほどに緻密であり、それがまた誰もが心に密かに持つ「オタク心」をくすぐる。

 著者は、けた違いの存在があることを実感しておくことが大事だという。それが「人間関係やビジネスにおける視野の広さの重要性を思い知らせてくれる」からだ。

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