怪奇・魔界編

公開日: 更新日:

「怪異な話 本朝不思議物語」志村有弘編

 鎌倉時代から江戸時代に成立した説話を現代語訳した怪談集。

 豊前の国速見郡の安倍宗兵衛は、女房を邪険に扱い、病気になっても薬も与えず、ますますつらくあたったので、ついに亡くしてしまった。死の間際、女房は恨み言を口にするが、それでも宗兵衛は葬式も出さず、山中に死骸を捨てる。7日後の夜半、腰から下を血潮に染めて現れた女房は、宗兵衛のそばに寝ていた女を八つ裂きにして、また明晩参ると言い残し姿を消す。宗兵衛は高僧らに祈祷を頼み、武器を用意して備えるが……。(「諸国百物語」)

 幽霊や化け物、たたりなど、日本各地で言い伝えられてきた怪異譚を集成。

(河出書房新社 720円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋