【若者たちの現在】ゆとり教育に保守化に草食ブーム。若者たちはどんな時代を生きているのか。

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「ブラック企業2」今野晴貴著

 若者を使い潰すブラック企業の実態が知られるようになったにもかかわらず、なぜ被害は拡大し続けるのか。大半の大学ではブラック企業について教えることなく「とにかく頑張れ」と言い続け、学生も“正社員”というニンジンや企業イメージだけで就職を決めてしまう例が多いと本書。

 採用後に業務の異常に気付いても辞めないのは、研修で「やる気」「責任感」をあおられて洗脳、さらに法的知識の欠如と長時間勤務の中、思考停止状態に追い込まれるからなのだ。

 貧困、競争社会に身を置く若者の心理に付け込む企業の戦略、大学のあおりなど、ブラック企業の実名を出しながら若者を取り巻く社会環境をルポ。日本社会全体のブラック化の構図も見え、恐ろしさを感じる。(文藝春秋 780円+税)



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