「長良川 修羅としずくと女たち」松田悠八著

公開日: 更新日:

 2010年3月、「ぼく」は50年前の大学生時代に所属した演劇サークルの仲間たちと、屋形船で隅田川を遡っていた。毎年、開かれていた同窓会がなくなり、久しぶりに花見に集まったのだ。席上、先輩の河田が美恵乃の話を持ち出す。ぼくの1学年の上の美恵乃は、1957年に演出志望で入団してきた。先輩たちは絶世の美女の彼女を舞台に上げようと画策したが2年半後、彼女は突然大学から姿を消してしまった。駆け落ち説や心中説が飛び交い、彼女の後の消息話は同窓会の定番だった。実は、彼女の失踪から10年後、出版社に勤務していたぼくは仕事のつながりで美恵乃を取材したことがあった。

 岐阜出身の著者が青春時代を回顧する半生記。(作品社 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発