「増補 八月十五日の神話 終戦記念日のメディア学」佐藤卓己著

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 ポツダム宣言を受諾した日でも、降伏文書に調印した日でもなく、なぜ玉音放送があった「8月15日」が終戦記念日なのか。戦後、メディアによって形成された日本人の終戦にまつわる集合的記憶を検証した論考。

 新聞に掲載された玉音放送を聞く人々のさまざまな写真。その後も終戦記念日のたびに取り上げられたこれらの「玉音写真」が、「やらせ」であったり、別の日に撮影されたことを明らかにしながら、「戦前と戦後を結ぶ要となる玉音放送の確固たる証拠として」それらの写真が必要とされたと解説。その他、ラジオのお盆中継などを検証しながら、終戦の記憶がどのように構築され、変容したかを分析する。(筑摩書房 1200円+税)



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