「愛する伴侶を失って 加賀乙彦と津村節子の対話」加賀乙彦、津村節子著

公開日: 更新日:

 がんで夫(吉村昭)を見送った津村氏と、くも膜下出血で突然、9歳年下の妻を亡くした加賀氏。80歳を前に連れ添った伴侶を失った2人が、故人を偲びながら生と死を語り合った対話集。

 夫の闘病中も仕事をつづけ、全身全霊で看護することができなかったことを悔やむ津村氏。一方、旅行の前夜に妻が風呂場で倒れているのを発見した加賀氏は、葬式を出した後も同じ時間に目覚める日が続いたという。さらに、キリスト教の洗礼を受けていたために代々の墓がある寺で断られ、妻が眠る場所を確保するにも紆余曲折があったという。お互いの出会いから、死後の喪失感まで、苦楽を共にした伴侶の死と真摯に向き合った2人の言葉が心にしみる。

(集英社 520円+税)

【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?