【下流と貧困】「下流社会」が流行語になってからはや10年。いまや下流を超えて貧困が固定化しているという。

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「中流崩壊」榊原英資著

 かつて大蔵省(当時)財務官として「ミスター円」の異名をとったエコノミストが説くニッポンの下流化。何しろ副題が「日本のサラリーマンが下層化していく」だ。しかし著者は扇情的な議論にはくみしない。たとえば昨今の日本はデフレ不況だが、低成長は先進国共通の現象。それなのに日本だけがデフレなのは、最大の輸入相手国である中国や直接投資先である東南アジアと近く、そこでの生産物が安く入ってきているからだ。

 政府はインフレ率2%を目標に掲げているが、不況と物価は切り離すべきと著者は主張。アベノミクスにはノーを突きつけている。(詩想社 920円+税)


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