五野井郁夫氏推薦 2016年の「民主主義」を先読みする3冊

公開日: 更新日:

 2015年安保では、学生団体SEALDs(シールズ)の活動が人々の共感を呼んだ。この国で政治を語ることを、当たり前でかっこいいことへと文化次元で変えた。気恥ずかしさを消し去り真正面から理想を語ることができるようになった。今の与党に決定的に欠けていることだ。

 この若者たちが考える民主主義を示したのが「SEALDs民主主義ってこれだ!/SEALDs編著」である。デザインから構成、写真まで、すべて学生が自主作製したこの著作には、安保反対運動を牽引する若者たちがどこからやってきて、今後どうするのかを自分の言葉で語っている。現在、早くも次の国政選挙を見据えた若者らの政治活動が、全国各地で始まっている。これらの動きは、この日本で民主主義が再び始まったことを示しているのだ。

 若者らの非暴力運動は、沖縄の反基地運動にその多くを負っている。若者ならずとも、「沖縄現代史/櫻澤誠著」でその軌跡を振り返り沖縄の怒りを共有する必要があるだろう。敗戦後には米軍統治、復帰後も米軍基地が残された。現在は平和の島に戻るべく、一刻も早い普天間基地移転の実現と、辺野古の新基地建設反対を「オール沖縄」で訴え、国と対峙している。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平に深刻な疲労蓄積…安打も本塁打も激減、「明らかにスイング鈍化」との指摘も

  2. 2

    佐々木朗希に浮上「9月にもシャットダウン」…ワールドS連覇へ一丸のドジャースで蚊帳の外

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    サントリーHD会長を辞任!新浪剛史氏の意外な私生活、趣味は「極妻」鑑賞と…違法薬物めぐり家宅捜索

  5. 5

    ドジャース大谷翔平 本塁打王争いでシュワーバーより“3倍不利”な数字

  1. 6

    《浜辺美波がどけよ》日テレ「24時間テレビ」永瀬廉が国技館に現れたのは番組終盤でモヤモヤの声

  2. 7

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  3. 8

    桑田佳祐も呆れた行状を知っていた? 思い出されるトラブルメーカーぶりと“長渕ソング騒動”

  4. 9

    「ポスト石破」最右翼の小泉農相“進次郎構文”また炸裂の不安…NHK番組で珍回答連発

  5. 10

    田中将大の日米通算200勝“足踏み”に巨人の営業がほくそ笑むワケ