五野井郁夫氏推薦 2016年の「民主主義」を先読みする3冊

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 2015年安保では、学生団体SEALDs(シールズ)の活動が人々の共感を呼んだ。この国で政治を語ることを、当たり前でかっこいいことへと文化次元で変えた。気恥ずかしさを消し去り真正面から理想を語ることができるようになった。今の与党に決定的に欠けていることだ。

 この若者たちが考える民主主義を示したのが「SEALDs民主主義ってこれだ!/SEALDs編著」である。デザインから構成、写真まで、すべて学生が自主作製したこの著作には、安保反対運動を牽引する若者たちがどこからやってきて、今後どうするのかを自分の言葉で語っている。現在、早くも次の国政選挙を見据えた若者らの政治活動が、全国各地で始まっている。これらの動きは、この日本で民主主義が再び始まったことを示しているのだ。

 若者らの非暴力運動は、沖縄の反基地運動にその多くを負っている。若者ならずとも、「沖縄現代史/櫻澤誠著」でその軌跡を振り返り沖縄の怒りを共有する必要があるだろう。敗戦後には米軍統治、復帰後も米軍基地が残された。現在は平和の島に戻るべく、一刻も早い普天間基地移転の実現と、辺野古の新基地建設反対を「オール沖縄」で訴え、国と対峙している。

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