「エコノミストの昼ごはん」タイラー・コーエン著 浜野志保訳、田中秀臣監訳・解説

公開日: 更新日:

 食通として有名な世界的な経済学者である著者が、日々の食に関するこだわりを経済学的な知見を加えて解説した一冊。「スローフードはファストフードに勝る」「巨大アグリビジネスは悪」「イノベーションの源泉として消費者は信頼できず、シェフ、フードライター、文化人などの意見が優れている」などの食にまつわる定説を、経済学的視点から覆していく。

 米国の食文化がダメになった理由についても、食品の供給網が急速かつ徹底的に商業化されたせいだといわれている通説に対して、真の戦犯は政治家や立法者だと指摘。禁酒法、第2次世界大戦、移民政策と米国の食生活の関係性についてひもといていく。

 また、世界中の食を味見してきた経験を踏まえて、具体的においしい食にありつくための手法も指南。ベトナム料理、タイ料理、日本料理、インド料理、パキスタン料理、中華料理、メキシコ料理、家庭料理等々、食を巡る著者の知見がおしげなく披露されている。(作品社 2200円+税)



【連載】週末に読みたいこの1冊

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」

  2. 2

    円安地獄で青天井の物価高…もう怪しくなってきた高市経済政策の薄っぺら

  3. 3

    現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政

  4. 4

    ドジャース大谷翔平が目指すは「来季60本15勝」…オフの肉体改造へスタジアム施設をフル活用

  5. 5

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  1. 6

    佐々木朗希がドジャース狙うCY賞左腕スクーバルの「交換要員」になる可能性…1年で見切りつけられそうな裏側

  2. 7

    【武道館】で開催されたザ・タイガース解散コンサートを見に来た加橋かつみ

  3. 8

    “第二のガーシー”高岡蒼佑が次に矛先を向けかねない “宮崎あおいじゃない”女優の顔ぶれ

  4. 9

    二階俊博氏は引退、公明党も連立離脱…日中緊張でも高市政権に“パイプ役”不在の危うさ

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明