「堕ちられない『私』」香山リカ著

公開日: 更新日:

 精神科医である著者の診療室に救いを求めてやってくる人たちには、共通して「決定的に欠けているもの」があるという。それは「堕ちる力」だそうだ。上昇志向を絶対的な善とする世の中の価値観が強大化し、自分を叱咤激励し続けた結果、ついに壊れてしまった人たちだ。彼らは、「何もしない、何も考えない」「ダラダラ、グズグズして過ごす」のがとっても苦手。しかし、人は上昇するよりも堕ちることで、人間らしい生き方を回復できると著者は説く。

「停滞これ即、衰退」と仕事を持ちながら夜間の大学院に通い、土日は資格試験の学校にも通う自己啓発が趣味の女性ら、患者のエピソードを紹介しながらつづる「新・堕落論」。(文藝春秋 750円+税)


日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    お笑い文化台無し!安倍首相の吉本新喜劇出演に府民大激怒

  2. 2

    桑田真澄というカリスマが高校野球に物申したことの意義

  3. 3

    博多大吉とデート報道 赤江珠緒が気を揉む"あの男"の存在

  4. 4

    好調"月9"を牽引 本田翼が放つ強烈オーラと現場での気配り

  5. 5

    イタリア政治に風穴あけた「五つ星運動」共同設立者に聞く

  6. 6

    強豪校監督に聞いた 高校野球の球数制限「賛成?反対?」

  7. 7

    大食い客から猛批判「やよい軒」おかわり有料化の視界不良

  8. 8

    横綱白鵬に帰化を決意させた朝青龍とのギスギスした因縁

  9. 9

    開幕から6戦全勝 原巨人5年ぶりV奪回は“カモ虎”と共に

  10. 10

    DeNA“オープナー制”実らず データ野球浸透の壁を識者指摘

もっと見る