「一読、十笑、百吸、千字、万歩――医者の流儀」石川恭三著

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 臨床循環器学の権威であり、今年80歳になる今なお現役医師として活躍する著者が、老いたからこそ感知できる幸せを見過ごさないための生き方を伝授する。

 ある程度の年齢に達すると、多くの人が「年のせい」という言葉を頻繁に使うようになる。たしかに、加齢に伴い体や健康に不具合が生じることはある。しかし、高齢であることを都合の良い“言い訳”に利用している人も多いと著者は言う。自分でできることは自分でする心構えを崩さず、どうしても他人に助けてもらう必要があれば、感謝の気持ちを忘れてはならない。

 むしろ、高齢であることは特権でも何でもないことを肝に銘じ、長い人生経験を生かして他人のために役立つことを考える。これによって、人生を最後まで豊かに生きることが可能になると説いている。(河出書房新社 780円+税)


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