「前夜 奥右筆外伝」上田秀人著

公開日: 更新日:

 戦国大名武田家の家臣だった立花家は、主家が滅びた後、徳川家に仕え禄を得たが生活は苦しい。家督を受け継いだ併右衛門は、出世の手がかりを掴むために役目を得ようと猟官に奔走。しかし、使える金も限られ、手当たり次第に身上書をまくしか手段がない。

 書道を学んだ母親に手ほどきを受けた併右衛門の身上書が、部下の悪筆に悩む勘定組頭の目に留まり、勘定下役に取り立てられる。やがて、勘定奉行の書付を担当するようになった併右衛門は、表右筆へと出世。無役のときには望むべくもなかった縁談も舞い込み、妻を迎えた。しかし、妻の津弥は幼い娘を残し病死してしまう。(「立花併右衛門の章」)

 人気シリーズ「奥右筆秘帳」の登場人物たちの若き日々を描く連作集。(講談社 640円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    渋野日向子に「ジャンボ尾崎に弟子入り」のススメ…国内3試合目は50人中ブービー終戦

  3. 3

    ソフトバンクは「一番得をした」…佐々木麟太郎の“損失見込み”を上回る好選定

  4. 4

    沢口靖子「絶対零度」が月9ワースト目前の“戦犯”はフジテレビ? 二匹目のドジョウ狙うも大誤算

  5. 5

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  1. 6

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  2. 7

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  3. 8

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  4. 9

    後藤真希と一緒の“8万円沖縄ツアー”に《安売りしすぎ》と心配の声…"透け写真集"バカ売れ中なのに

  5. 10

    沢口靖子も菅田将暉も大コケ不可避?フジテレビ秋ドラマ総崩れで局内戦々恐々…シニア狙いが外れた根深い事情