• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「夜を乗り越える」又吉直樹著

 なぜ本を読むのか。なぜ文章を書くのか。「火花」はどのようにして生まれたのか。幼いころにまでさかのぼり、自身の文学体験を語り尽くした本。作家・又吉直樹は生まれるべくして生まれたのだと納得する。

 勉強はできなかったが、国語だけは苦手意識がなかった。教科書に載っている詩や小説を勝手に先回りして読むのが好きだった。

 中学1年のとき芥川龍之介の「トロッコ」を、2年のとき太宰治の「人間失格」を読んで、近代文学にはまった。自分の中にある不安や異常と思われることが、小説として言語化されている。しょうもないことも書いてある。「こんなことを考えてもいいんだ」と思った。

 以来、半端ではない読書経験を積んできた。芥川、太宰をはじめ、漱石、谷崎、織田作之助。現代の作家では、古井由吉、町田康、西加奈子、中村文則など。好きな作家や好きな作品を語る口調には、「読んでほしい!」という熱がこもる。

 本は賢い人たちのためだけにあるものではない。むしろ、本なんて必要ないと思っているパンクスや芸人のほうが、「めちゃくちゃ相性がいい」のではないか。

 小説に救われ、夜を乗り越えてきた人の、心底からの読書のすすめは、本を読まない人にも刺さりそうだ。(小学館 820円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    正反対キャラを演じきる 佐藤健“視聴率40%男”の存在感

  2. 2

    焼肉通いは序章…星野源が狙われる新垣結衣との要塞デート

  3. 3

    沖縄県知事選で“黒歴史”隠し 佐喜真候補にもう一つの疑惑

  4. 4

    “元彼”と同時引退? 幻に消えた安室奈美恵の「再婚」報道

  5. 5

    花田家は崩壊寸前…貴乃花親方は協会批判し妻は見舞い拒否

  6. 6

    追悼・樹木希林さん 貫いた“奇妙な夫婦愛”と“ドケチ伝説”

  7. 7

    二宮和也はジャニーズの“条件”拒み…伊藤綾子と来年結婚か

  8. 8

    安倍自民がブチあげ「省庁再々編」は国民ダマしの常套手段

  9. 9

    安倍首相が総裁選で獲得 地方票「55%」の怪しいカラクリ

  10. 10

    吉澤ひとみの逮捕で…「元モー娘。」相次ぐ謝罪の違和感

もっと見る