「長引く腰痛は“脳の錯覚”だった」丹羽真一他著、菊地臣一監修

公開日: 更新日:

 脳科学を取り入れた腰痛治療として注目されている福島県立医科大学病院の「認知行動療法」について解説する。

 慢性的に痛みを抱える患者は脳の灰白質という部位の血流が滞り、背外前頭前野や側頭葉、海馬といった脳の各所に萎縮が見られることが分かってきた。これにより脳が痛みを錯覚しやすくなり、痛みへの恐怖にもとらわれやすくなる。腰痛患者の場合も、「痛みが強くなりそう」「痛みがずっと続きそう」といった思い込みから、体の動きを制限して余計に腰への負担を大きくする傾向があるそうだ。

 そこで認知行動療法では、ネガティブな気持ちを記録する「ストレス日記」などにより自身を分析し、行動を改善して痛みの悪循環を断っていく。長引く腰痛に悩まされている人は必読だ。(朝日新聞出版 1200円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    今オフ日本史上最多5人がメジャー挑戦!阪神才木は“藤川監督が後押し”、西武Wエースにヤクルト村上、巨人岡本まで

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希にリリーバーとしての“重大欠陥”…大谷とは真逆の「自己チューぶり」が焦点に

  3. 3

    日本ハム最年長レジェンド宮西尚生も“完オチ”…ますます破壊力増す「新庄のDM」

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  5. 5

    初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」

  1. 6

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  2. 7

    ドジャース佐々木朗希もようやく危機感…ロッテ時代の逃げ癖、図々しさは通用しないと身に染みた?

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が“本塁打王を捨てた”本当の理由...トップに2本差でも欠場のまさか

  4. 9

    “条件”以上にFA選手の心を動かす日本ハムの「圧倒的プレゼン力」 福谷浩司を獲得で3年連続FA補強成功

  5. 10

    吉沢亮は業界人の評判はいいが…足りないものは何か?