「パルプ」チャールズ・ブコウスキー著、柴田元幸訳

公開日: 更新日:

 家賃滞納で立ち退きを迫られている私立探偵のニックの事務所を飛び切りの美女が訪ねてくる。「死の貴婦人(レディ・デス)」と名乗る女は、ハリウッドの本屋に出入りする人物が、本物のフランス人作家・セリーヌか確かめてほしいというのだ。しかし、ニックの記憶ではセリーヌは32年前に死んだはずだ。本屋でその人物に出会ったニックだが、本物のセリーヌかどうか分からない。

 そんななか、新たに「赤い雀」を探して欲しいという依頼が舞い込む。おまけに競馬で負け続けているニックはノミ屋のツケがたまり、取り立て屋からも追われるはめに。

 どこに物語が進んでいくのか見当もつかないカルト作家による怪作ハードボイルド。(筑摩書房 840円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する